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先週、東京で開催した私のCEOラウンドテーブルにて、著書『Rapid Culture Change』から、特に議論を呼びそうなアイデアをいくつか紹介しました。この講演は、あるトリックから始まります。それは、誰が見ても「いかにも日本的」に聞こえる機能不全のリストを提示することです。ところが、それが実はフランスの公益企業について書かれたものだと種明かしをするのです。これは、日本に長く関わってきた経験豊富な参加者たちに、自分自身の思い込みに気づいてもらうための仕掛けです。その後に続いたのは、45分間にわたる反論、経験談、そして私自身の著書のタイトルそのものへの、少なくとも一つの直接的な反対意見でした。
以下は、会場で実際に議論された内容です。
講演内容:3つの戦術、1つの前提
文化とは、国籍でも、社員数でも、業種でもありません。それは、行動の規範を形作る共有された信念です——そして信念そのものは目に見えず、行動としてしか現れません。したがって、診断の方法はシンプルです。何が評価され、何が罰せられ、何が無関心のまま放置されているか、を見ることです。講演では、3つの戦術が中心となりました。
戦術1 ― まず行動変化を課す
- 信念を変えてから行動を変えようとすると、何が有効かを巡って議論することになります。先に行動を変えれば、人々は何が実際に有効かを経験することができます。信念を変える最も速い方法は、本物の成功体験にほかなりません。
- 人に何かを信じるよう強制することはできません。しかし、何かを行うよう求めることはできます。
- 具体例:ある自然派ヘアケア製品の会社は、販売代理店を通じた販売モデルに深く傾倒していましたが、そのモデルはすでに時代遅れになっていました。CEOは人々の心を変えようとはせず、直接販売を義務付け、社員が新しい方法を学ぶ間の1年間は結果に対する猶予を与え、成功実績そのものに説得させました。新しい行動が成果を上げ始めると、抵抗は熱意へと変わりました。
戦術2 ― 原則を確立し、価値観を排する
- 価値観は「何を」「なぜ」を示します。原則は「どのように」「いつ」を示します。「大胆さ」を価値観として掲げれば、それはただのポスターです。「大胆に挑戦して失敗した者を解雇することは決してないが、行動しない者は解雇する」というのは原則です。それは検証可能であり、無視することができません。
戦術3 ― 自社の企業文化に徹底的に従う
- 「文化的配慮(cultural sensitivity)」は受動的であり、周囲に合わせて適応することです。一方で「文化的な意味づけ(cultural sense-making)」は能動的です。それは自分が正しいと信じることに基づいて行動することです。具体例:あるフランス人CEOは、日本文化の専門家を自称する人物の助言により、最も適任な後継者である女性を、その性別を理由に選任することを一度は見送りかけました。「フランスであれば同じ判断をするか」と問われ、即座に「いいえ」と答えた彼は、彼女を昇進させました。その結果、彼女はその後、会社の利益を倍増させました。
まとめ: 「あなたが自分の文化をつくるべきだ。さもなければ他者の文化があなたをつくることとなる。」
ディスカッション:参加者たちが反応した内容
講演は好評でしたが、まず異議を唱えられたのはそのタイトルでした。そして議論はそこからさらに興味深いものへと発展していきました。5つの論点が中心となりました。
1. 「Rapid(迅速)」と日本 ― 矛盾ではないか?
- 最も直接的な異議は早い段階で出されました。文化的に見て、日本はゆっくりと動く国だと理解されている。それなのに、なぜ「急速な組織文化改革」を謳う本が書けるのか、というものです。
- それに対する答えは、意見ではなく歴史に基づいたものでした。日本は1853年のペリー来航によって混乱に陥った封建社会から、1904年には旅順でロシア海軍を打ち破るまでに至りました。封建的な鎖国状態から主要な産業・軍事大国になるまで、わずか50年です。第二次世界大戦の終結で焦土と化してから20年も経たないうちに、日本は世界第2位の経済大国となり、世界最速の列車を持ち、東京オリンピックを開催していました。これは決して「遅い国」の姿ではありません。会場の複数の参加者が、自らの経験からさらなる証拠を挙げました。市場が新しいものを速く受け入れるという理由から、あえて製品開発拠点を日本に置く多国籍企業の存在や、ドイツの取り組みが停滞する中で前進を続ける日本のリニア開発計画などです。
- ある技術者が指摘した、より鋭い視点はこうです。日本が遅いのではなく、日本の研究開発はマーケティング主導ではなく、エンジニア主導である傾向が強い。それがイノベーションの有無ではなく、その形とペースを変えているのだ、というものです。
2. 二つの速度、一つの結果
- フランスと日本の対比が繰り返し話題に上りました。ある元日本の首相の言葉とされる表現によれば、フランス人は決断は速いが、それを維持する力に欠ける。日本人は決断は遅いが、一度決まれば徹底的にやり遂げる、というものです。カルロス・ゴーン氏の発言とされるこのテーマの別バージョンによれば、フランスのチームはまず混乱を作り出し、それを片付けるのに半年を費やす。日本のチームは3か月間何もしていないように見えるが、その後見事な実行力を発揮し、結局同じ半年というスケジュールで終える、というものです。
- ある合弁事業の逸話が、その仕組みを具体的に示しました。フランス側のパートナーは、日本側パートナーの、段階を踏んだ入念な準備の進め方に苛立ちましたが、結局納期に遅れたのはフランス側でした。「遅い」とされた側は、単に議事録にすでに文書化・合意されていたプロセスに従っていただけだったのです。
- 会場の支持を集めた再解釈はこうでした。文化によって「決定」の意味そのものが異なる、というものです。日本では、「調べてみる」と決めること自体が最初の決定であり、その後、実際にうまくいくかどうかを低コストで確かめるための十分な準備が続き、うまくいかなければ静かに撤退します。一方、他の文化圏では、まず大々的な発表が先に来て、現実に直面した後、3か月後に信頼を損なう静かな撤回が続くのです。
3.「余分な一手間」― 本物の摩擦か、それとも都合の良い言い訳か?
- 日本での勤務経験が10年以上あり、シンガポールや中国でも働いた経験を持つあるリーダーは、より懐疑的な見方を示しました。戦術そのものが間違っているわけではないが、日本で同じ成果を得るには「もう一手間、二手間」余分に必要だ、というものです。それは、十分な下地作りをせずに行動変化を課すと、日本では公然とした抵抗ではなく、静かな不服従という形で表れる傾向があるためだ、と述べました。
- これにはすぐさま反論がありました。「日本は特別だ」という主張こそ、講演が15分かけて否定してきたものではないか、というものです。答えはその中間で折り合いをつけるものでした。すべてが異なる対応を必要とするわけではないが、変化がどのように提唱されるかという点は、日本のビジネス文化に本当に固有の特徴であり、スピード重視の姿勢を選んだからといって消えるものではない、というものです。
- そこに続いたのが、有益な比例性についての指摘でした。慎重で計画的なアプローチと、より速いアプローチとの差が最も重要になるのは、リスクの高い意思決定においてです。リスクの低い意思決定にまで同じ慎重さを一律に適用するのは、単なる時間の無駄です。プロセスを決めるべきはリスクであって、文化ではありません。
4. 根回しは「合意」ではない
- このセッションで最も有益な区別は、戦術1と直接結びつくものでした。根回し(決定が公になる前に、個々人に情報を伝え、異論を聞く静かな下地作り)は行うべきであり、行うことも可能ではあります。しかしそれは、前に進むために全員の合意を必要とすることを意味しません。多くのリーダーはこの二つを混同し、熱意ある同意が得られないことを障害だと捉え、本来は相談だけで済むはずの変化を停滞させてしまいます。
- ある参加者の逸話が、これを直接マインドセットの問題に結びつけました。あるリーダーは、自分のチームを新しい行動へと意図的に押し出したことを語りました。試し、挑戦し、失敗することを許容する、というやり方です。これはまさに、戦術1の背後にあるメカニズムである「経験を通じて信念を変える」ことでした。彼女はこれを、自然に身につくものではなく、努力を要するものだと表現しました。唯一の正解を見つけることを重視する教育制度の中で育った人々は、失敗を心地よく受け止める姿勢を自然には持ち合わせていない。それは、安全であることを自ら示す覚悟のあるリーダーによって、意図的に築かれなければならないものです。
5. 巨大企業の中でも、文化をつくるのはリーダーである
- 日産に関するある逸話が、講演の中心的な主張を締めくくりました。7代にわたるCEOを経る中で、同社の製品・エンジニアリング文化は、リーダーが交代するたびに目に見えて変化しました。技術重視の姿勢が強い場合もあれば、そうでない場合もあり、あるCEOは営業よりもエンジニアリングを優先したことで知られています。企業の規模の大きさは、トップに立つ個人の影響から会社を守るものではなく、ただその変化を遅く、そして後から振り返ったときにより顕著なものにしただけでした。
- 締めくくりの言葉は、日本への新規参入者に助言を行うあるフランス人アドバイザーからのものでした。名刺の扱い方や茶道についての指導は結構だが、それが本質ではない。礼儀正しく、マナーをわきまえること、そのうえで、他のどの国でも行うのと同じくらい大胆にビジネスを行うべきだ、というものです。価値、リターン、成果についての言葉は、万国共通です。敬意という名の下に装われた過度の慎重さは、本当の敬意とは別物です。
結論
細部を取り除いてみると、会場は、講演自体の主張とほぼ同じ結論に、苦労の末たどり着きました。日本は遅いのではなく、また別のやり方を必要とする例外でもありません。しかし、日本には独自の意思決定の質感があり、その質感を完全に無視するリーダーは、成果の代わりに静かな抵抗を得ることになります。戦術そのものは変わりません。変わるのは、その土台となる下地作りです。
「あなたが自分の文化をつくるべきだ。さもなければ他者の文化があなたをつくることとなる。」
Steve’s New Book: Rapid Culture Change