市場を破壊することほど、ビジネスを急速に成長させる強力な戦略はありません。あらゆる戦略には、少なくとも一部に破壊的な要素を組み込むべきです。しかし、外部を破壊的に変革したいなら、まず内部から変革する覚悟が必要です。
破壊的なイノベーションは、何かを手放さなければ成立しません。ビジネスライン、愛着のあるブランド、利益を生む製品、従来の常識、あるいは「ベストプラクティス」とされるやり方などです。( 私に言わせれば「ベストプラクティス」とは、単に平凡さを美化したラベルであることが多いのです。)
CEOや経営チームと成長戦略を練る際、私は最初に必ずこう質問します。「あなたが望む成長のために、どの収益事業を手放しますか?」
ある保険会社のCEOと経営陣との戦略開発セッションで、私は早速この質問を投げかけました。CEOは急速かつ破壊的な成長を求めていました。議論の末、チームは大胆な決断を下しました。新しい戦略的優先事項に合わないため、収益性の高い自動車保険事業を手放すことにしたのです。未来のために慣れ親しんだものを手放すことを選んだのです。
フランスの農業技術企業リマグレンの日本法人ヴィルモランみかども同様の行動を取りました。同社は収益の半分以上を占めていた農業資材の卸売事業を手放し、種子事業における破壊的イノベーションに注力しました。売上は50%以上減少しましたが、利益は60%増加しました。これが自己破壊(セルフ・ディスラプション)の力です。
予想される反発
自己破壊を決断した場合、すべての人から称賛されることはありません。抵抗が必ず生じます。それは最も成功している破壊的企業でさえ例外ではありません。
一部の社員は、「不可能だ」と文句を言うことを選びます。自分たちが新しい能力を身につける必要があることを受け入れるよりも、現状を否定するほうが楽だからです。また、最先端技術を持つ製品ほど売るのが難しいことがあります。優れた専門知識、強力なビジネス判断力、顧客のビジネスを迅速に理解する能力、そしてリアルタイムで顧客の視点を変える洞察力が求められるからです。
さらに、「日本のビジネス文化に合わない」「アジアでは不適切」といった文化的な理由で反対する人もいます。かつて日本の大手消費財企業のある幹部は、「アジアという世界では破壊的戦略は適さない」と真剣に語ったことがあります。私は今でも「アジアという世界」が何を意味するのか分かりません。ソフトバンク(日本)、BYD(中国)、Paytm(インド)、Shopee(東南アジア)、サムスン(韓国)など、破壊的企業がアジアには多数存在しています。
決意を持ってリードする
市場を破壊するつもりなら、言い訳を無視する覚悟が必要です。まず内部を破壊し、嵐を乗り越えましょう。周りに礼儀正しく耳を傾け、学ぶ意欲のある人を支援して下さい。ほとんどの人は最終的に理解し、協力してくれます。早く理解してくれる人もいれば、時間のかかる人もいます。変化を拒む人は、何を言っても行動してくれませんから、辞めてもらうしかありません。
やがて嵐は過ぎ去ります。新しく入社した社員は、かつての騒ぎが何だったのか不思議に思うかもしれません。彼らにとって、今の働き方が当たり前になるからです。
そして忘れないでください。破壊的戦略は優秀な人材を引き寄せます。 以下のうち、あなたにとって魅力的なのはどちらでしょうか?
- 「来年は売上を5%伸ばす予定です。」
或いは
- 「メルセデス・ベンツを打ち負かすつもりです!」
どちらのリーダーのもとで働きたいですか?
まず自分自身を破壊せよ
自己破壊は決して簡単ではありません。勇気、規律、揺るぎない決意が必要です。しかし、市場や業界を破壊したいなら、避けて通れません。内部を破壊せずに外部だけを破壊しようとすれば、危険を伴います。
まず自分自身を破壊しましょう。そうすることで、ビジネスに非凡な成長のチャンスを与えることができます。
あなたはどうですか?
あなたはどのように内部や外部を破壊してきましたか?
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