本当の闘いは社内にある

healthcare conference 2026

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ヘルスケアの世界で最も動かしにくいのは、技術ではありません。それを取り巻く組織と慣習です。

先週、フランス商工会議所のヘルスケア・ビジネス・シンポジウムで私がモデレーターを務めたパネルで、4人のリーダーにこの問いを投げかけました。4人はそれぞれ、日本の医療の届け方を変えようとしています。医療をどこで提供するのか、情報を誰が握るのか、そもそも移植が必要なのか、そして一部の患者さんが本当に治療を受けられるのか。誰も効率化を狙っているわけではありません。成功すれば、それぞれが既存の利害関係者から何かを奪うことになります。

日本には、彼らの成功が必要です。人口は高齢化し、減少しています。年々、より少ない医療従事者がより多くの患者さんを診ています。この国は、これまでどおりの医療を続けることはできません。だからこそ、私は製品について尋ねませんでした。その変革を率いるには何が必要かを尋ねたのです。

セッションはチャタムハウス・ルールのもとで行われました。ですから、ここに書くのは誰が何を言ったかではなく、私が何を学んだかです。

1. 最初の「ノー」は自分の組織から来る

あるパネリストは、あまり使われていなかった治療法の普及を数倍に高めるキャンペーンを実施しました。社内のスタッフは「ルール違反だ」と反対しました。彼は社内で争いませんでした。規制当局に直接出向き、問い合わせたのです。当局の答えは、要するに「何が問題なのですか」でした。

別のパネリストは、日本の大手製薬会社で研究職から経営戦略部門へ移りました。上司からは「前例がない、道がない」と言われ、支援も得られませんでした。それでも彼女は自ら戦略部門の人たちと関係を築き、社内公募に応募して異動を実現しました。

私が聞いたどの話でも、最初の反対は内部から来ていました。自社の人間、自分の専門分野、自分の上司です。規制当局でも競合でもありません。日本で変革を率いることは、その大部分が社内での闘いなのです。

この闘いに勝つリーダーには、共通点があります。リスクを自分で引き受けることです。「何かあれば、私が責任を取る」。これこそが心理的安全性の本当の意味です。研修ではありません。リーダーが損失のリスクを引き受けることで、チームが動けるようになるのです。

2. 納得していない人を説得するのをやめる

ある会社は30年にわたり、何千人もの専門医に自社の治療法を採用してもらおうと説得を続けてきました。大半は採用しませんでした。しかし、およそ5人に1人はすでに採用していました。

そこで新しいリーダーは説得をやめました。患者さんに直接、「選択肢があること」、そして「その選択肢を得られるかどうかは病院選びにかかっていること」を伝えたのです。そのうえで、すでに納得している医師のいる病院へと患者さんを導きました。

彼はある一点にこだわりました。チームはテレビCMを打ちたがっていましたが、患者さんが適切な病院を見つけられる仕組みがない限り、CMは打たないと決めたのです。認知だけでは、その選択肢を決して提示しない医師のもとへ患者さんを送るだけになります。行動につながらない露出は、お金の無駄遣いです。

多くの変革プログラムは、抵抗する人たちにエネルギーを注ぎます。しかし、本当のてこは、すでに賛同している人たちにあります。需要をそちらに向ければ、抵抗する人たちは問題ではなくなります。

3. 自分の使命ではなく、相手の利益から入る

門番を迂回するやり方が通用するのは、相手側に選べる人がいる場合だけです。救急医療では、誰も選べません。救急車で運ばれてくる患者さんは選択肢を比べられる状態にありませんし、日本ではそもそも多くの患者さんが医師の判断に従います。

そのため、ある創業者は医療機関そのものを説得する必要がありました。これは難題でした。日本の病院はデータを手放したがりません。一つひとつの病院がデータを共有して得られるものは小さく、価値が生まれるのは全国規模になってからです。

彼は全国プラットフォームを売り込みませんでした。患者さんのアウトカムを前面に出すこともしませんでした。まず、病院自身の課題を解決したのです。病院の入院患者の多くは救急部門を経由して入ってきます。だからこそ、救急部門の運営は病院経営者にとって極めて重要です。そこを改善すれば、データ利用の許可は後からついてきます。そしてそれは、大規模に実現しました。

使命はチームを奮い立たせます。組織を動かすのは自己利益です。今、自分がどちらに語りかけているのかを見極めてください。

4. 現場から離れない

ある創業者は、今では100人を超える会社を率いながら、週末には今も臨床の現場に立っています。そこで自社の製品を使うのです。オフィスではうまく動きます。しかし混み合った救命救急センターでは、ネットワークが途切れ、アプリは遅くなり、データが正しく入りません。どんな報告書にも書かれていないことを、彼はそこで学んでいます。

別の一人は研究室を離れてCEOになりましたが、今も科学が彼女の戦略を形づくっています。研究者時代に得た教訓は、「良い技術には良い戦略が必要で、良い戦略には良い技術が必要だ」ということです。そのどちらか一方の言葉しか話せないリーダーは、組織の半分とかみ合わない会話をすることになります。

仕事が行われている場所から遠ざかるほど、届く情報は弱くなります。現場に戻る方法を見つけてください。

5. 受け入れるのをやめるべきこと

最後に、私は各パネリストに「会場のリーダーたちが、日本での『当たり前』として受け入れるのをやめるべきことは何か」と尋ねました。持ち帰る価値のある4つの答えです。

  • 恐れから「あったらいいもの」を残し続けるのをやめる。 1%の確率で何か起きるかもしれないという理由で、チームは時代遅れの慣行を守り続けます。「私が支える」と伝えてください。たいていの場合、何も起きません。
  • 曖昧であることをやめる。 日本のチームは、はっきりした意見を口にすることをためらいがちです。だからこそ、リーダーからの明確なメッセージが必要なのです。ビジョンを鮮やかに描いてください。
  • 抵抗に負けるのをやめる。 「無理だ」と言われても、強い信念と好奇心があれば、前に進む理由としては十分です。
  • 批判するだけなのをやめる。 悪い点を指摘するだけでは、チームは疲弊します。「どうすれば解決できるか」を問い、そのエネルギーを次の挑戦に向けてください。

真の障害が市場であることは稀

あるパネリストは、ヨーロッパのグループの日本法人を率いています。そのグループは最近、製品をライセンスアウトするのではなく、日本で自ら事業を築くと決めました。これは、私がさまざまな業界で目にしてきたパターンと一致します。人口の減少と高齢化が語られる一方で、多くのグローバル企業は日本を「最後の大きな成長機会」と見ています。日本でのシェアが、他の地域で持つシェアにまだ大きく及ばないからです。

チャンスは本物です。しかし、この4人のリーダーが実際にどこで抵抗に遭ったかに注目してください。自社のスタッフ、自分の上司、自分の専門分野、そして「なぜテレビCMにお金をかけるのか」と問う本社です。

日本で会社を率いているなら、問うべきは日本が変わるかどうかではありません。自分の組織が、自分に日本を変えさせてくれるかどうかです。

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本当の闘いは社内にある

Steve’s New Book: Dauntless Leadership

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