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高市首相は370兆円を投じようとしている。しかし、政府自身の数字が示しているのは、それを有効に使うだけの「人」が足りないという事実だ。
これは注釈で済ませられる話ではない。これこそが本題だ。
高市内閣は、AI、半導体、量子技術、防衛、バイオテクノロジー、造船など17の戦略分野にわたる官民投資の長期構想を承認した。この規模の政府主導投資により、日本の実質GDP成長率を、過去10年間の年率0.7%から2040年までに1.4%へと倍増させるというのがその主張である。投資額の最大20倍に及ぶ「波及的な経済効果」も謳われている。
一方で、同じ政策当局が2030年までに640万人の労働力不足を見込んでいる。成長計画が実を結ぶとされる2040年ではない。2030年だ。17の分野がまだサプライチェーンを整え、技術者を育成し、経済全体の他の産業と同じ縮小しつつある労働力プールを奪い合っている、まさにその最中に。
多くの報道はこれを別々の二つの話として扱っている。野心的な成長計画と、日本が長年対処してきた人口動態上の逆風だ。私の見方は違う。これは一つの物語であり、政府はその半分しか語っていない。
誰も検証していない前提
あらゆる戦略は前提の上に成り立っている。戦略の本質的な仕事とは、大胆な目標を掲げることではなく、その目標がどのような前提に依存しているかを特定し、それが成立するかどうかを検証することにある。私はこれを、個々の企業を対象に論じてきた。サプライチェーンの混乱や地政学的変化に不意を突かれる企業は、たいてい「予期せぬ事態の犠牲者」ではない。検証されないまま放置された前提の犠牲者なのだ。その前提が都合よく、それに異を唱える動機を持つ者が誰も部屋にいなかったからである。
高市氏の計画は、一つの大きく、都合の良い、検証されていない前提の上に成り立っている。すなわち、ある分野に投じられた資本は、それを実行する人材の有無とはほぼ無関係に成長へと転化する、という前提だ。370兆円を投入すれば、人的資本は自然と揃い、1.4%の成長が生まれる、というわけである。
しかしこの前提は、政府自身の労働力データの前では成立しない。半導体、防衛、バイオテクノロジーは、自動化や残業で人材不足を覆い隠せるような分野ではない。専門的な技術者、博士号取得者、そして数年単位の育成パイプラインを必要とする。需要に応じて即座に生み出すことが最も難しく、拡大にも最も時間がかかる種類の労働力だ。
提示されている処方箋は、時間軸と噛み合っていない
政府がこの不足に対して示す答えは、AIによる生産性向上と労働力の再教育である。方向性としては理解できる。しかし、先端半導体製造や量子研究のための人材育成は数年がかりの事業であり、対象となる分野が必要としているのは今の人材であって、2032年の人材ではない。これは解決策の体裁を取った時間軸のミスマッチだ。生産スケジュールが実際には支えきれない納期を顧客に約束するようなものである。形式上は計画だが、実質的には計画になっていない。
私が企業の現場でしばしば目にする光景がある。成長目標が設定され、リソース確保については漠然とした言葉で片付けられ、そして18ヶ月後に組織が気づく。制約となっていたのは資本ではなく、常に「人」だったのだと。今いる人材、採用できる人材、そして与えられた時間の中で育成できる人材だ。これを正しく行う企業は、まず人材計画を組み立て、それに見合う規模の野心を掲げる。誤る企業は、先に野心を掲げ、人材計画が後から追いついてくることを期待する。高市氏の構想は、後者の典型に見える。
政府は、不足を最速で埋められるはずのレバーを絞り込んでいる
国内の再教育には時間がかかる。その一方で、より速いレバーが存在する。高度人材の受け入れだ。しかし政府はそれを引くどころか、むしろ積極的に締め付けている。
外国人技術者にとって従来最も速い入国ルートであった「技術・人文知識・国際業務」ビザは、2026年4月からJLPT N2レベルの日本語能力が要件となった。これはまさに、半導体・AI・バイオテクノロジー分野の人材が入国する際に利用するはずのビザ区分である。永住権の取得要件も、2027年4月から在留期間が3年から5年へと引き上げられ、高度外国人材が定着を決断するまでの期間が延びた。経営・管理ビザの投資要件も3000万円へと6倍に引き上げられ、これらの事業を実際に立ち上げる外国人起業家や経営者にとっても、ハードルが高まっている。人材を雇う側だけでなく、雇われる技術者だけの話でもない。
これは怠慢ではない。まさにその人材プールに依存する成長計画と並行して進められている、意図的な絞り込みである。積極的な採用目標を掲げながら、同時に自らの採用プロセスをより遅く、より制限する企業があれば、その野心を称賛されることはないだろう。むしろ、この二つの決定を結びつけて考えた者が本当に社内にいたのかと、当然のように問われるはずだ。それこそが、高市氏の成長構想がまだ答えていない問いである。
日本でビジネスを営むあなたにとっての意味
政策当局の外側からこれを眺める外国人経営者にとって、370兆円という見出しは市場シグナルのように映るかもしれない。国家が後ろ盾を約束した17の分野、位置取りする価値がありそうだ、と。しかし、それは読み違いである。
より信頼できるシグナルは、その見出しの下に潜んでいる。政府自身の労働力予測は計画が必要とするギャップを埋めておらず、その一方でビザ政策はそのギャップを埋める最も速い手段の一つを積極的に狭めている。これは待てば解消される見落としではない。現在の政策方針が続く限り、それが制約の実態そのものであり、発表と実行の間にあるこの隔たりこそが、今後5年間の真の条件が定まる場所だ。プレスリリースの中ではない。
実務的には、二つのことを意味する。第一に、17分野のリストを「供給の保証」と受け取ってはならない。むしろ、まだ存在せず、しかも輸入がますます難しくなっていく人材への「需要の保証」として捉えるべきだ。それが、賃金上昇と人材獲得競争がどこに集中するかを示している。第二に、これらの分野に関わる事業を営んでいるなら、自社の人材計画は政府のそれよりも厳密でなければならない。なぜなら、国家が後ろ盾となる取り組みと同じ限られた人材プールを奪い合うことになる上に、移民制度はあなたに味方するどころか、逆風として働くからだ。「予算はある」は、これまで一度も難所ではなかった。
資本は戦略ではない。政府自らが課した制約の内側で、目標を実際に達成できる人材計画こそが戦略である。それ以外はすべて、戦略の衣をまとった野心にすぎない。
そして、あなたのビジネスはどうだろうか。あなたの人材計画は、成長戦略の要求に応えられているだろうか。それとも、野心を装ったものに過ぎないだろうか。
優れた戦略は、何を、なぜ、どのように、いつ、という問いに答える。しかし多くの場合、最も重要な問いは「誰が」なのだ。
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