3月12日、在日フランス商工会議所(CCIFJ)の主催で、フィリップス・ジャパンの前CEOであり、ロイヤル・フィリップス上席副社長を務めるジャスパー・ウェステリンク氏をステージにお迎えし、対談を行いました。以下にその主要なポイントをまとめます。
- 融通の効かない組織構造は、コミュニケーションを阻害し、意思決定を遅らせ、イノベーションを妨げ、生産性の向上を抑制する。そこから得られるわずかなメリットが、これらのコストを正当化することはほとんどない。
- 組織文化を形成するのは、国独自の文化よりもリーダーの存在である。文化とはリーダーが課し、手本として示すものであり、国によって決定されるものではない。
- 文化とは、共通の信念に根ざした一連の行動形式であり、行動を通じてのみ可視化される。一般的にマインドセット(意識)を変えることが行動変容の前提条件だと思われがちだが、実際はその逆も起こると言える。新しい行動を首尾一貫して徹底させれば、後からマインドセットの変化がついてくるものだ。
- リーダーが社員に期待している態度を明確に定義し、常にそれを強調すれば、日本人社員は世間で思われているよりもずっと迅速に適応する。そしてそれはしばしば、劇的な組織文化の変革をもたらしてくれる。
- まずリーダーチームが自らの行動を変えれば、その変化は直属の部下へと波及し、組織全体へと有機的に浸透していく傾向がある。
- 医療用画像診断装置の投資判断において、日本の医師、看護師、病院管理者は、他の多くの市場で重視される「生産性」「効率」「コスト削減」よりも、「臨床結果の改善」や「リスク軽減」を優先する傾向がある。その結果、患者の予後の改善、待ち時間の短縮、臨床研究の活性化、教育用機器へのアクセスの広がりといった具体的な成果に繋がっている。しかし皮肉なことに、日本のほとんどの病院は赤字経営であり、システム全体として財務的な持続可能性が欠如している。改革に向けた政治的な動きは未だ見られないが、審判の時が近づいているのは明確だ。
- 画像診断の分野では、AIを含むソフトウェアや、装置の使用前後のプロセス改善に比べ、ハードウェアの戦略的重要性は低下している。