私が日本で会うCEOの多くは、自社の営業チームが期待通りの成果を上げていないと嘆きます。それは行動にも結果にも表れています。しかし、具体的に何をすべきかとなると、途方に暮れることが多いのです。以下に、私がCEOたちに提言している7つの非常識とも思われる戦術を紹介します。
1. まず新しい行動を課せ。マインドセットはあとからついてくる。賛同は不要。
営業組織に迅速な変化をもたらしたいリーダーは、賛同を求めることを忘れてください。まず行動を変えれば、マインドセットはあとからついてきます。本物の成功体験ほど、マインドセットを素早く変えるものはありません。営業担当者に新しいアプローチを試させてください。必要なら多少強引に促しても構いません。「私も半信半疑だが、明確な証拠を得るための試みとして協力してほしい」と伝えましょう。成功体験が賛同を生みます。
2. 営業を崇高な職業として扱うこと。
営業担当者は、他者の人生を豊かにする存在です。私のクライアントの中には、経営者をより豊かにし、命に関わる病気と闘う人々を支援し、ドライバーとその家族の安全を守る製品を届ける営業チームを持つ企業があります。多くの場合、その価値を人々とつなぐのは、どこかのサーバー上のAIではなく、一人の営業担当者です。その人がいなければ、人々はその価値を享受できないかもしれません。
あなたの営業担当者はそれを理解していますか?リーダーの皆さんはどうでしょう?
ある関西系企業の東京営業所では、営業マネージャーが他社の営業担当者が予告なしに訪問してきた際、その内容にかかわらず(実際にビジネスに有益な製品やサービスであったとしても)追い返す習慣があります。しかも自分の営業スタッフが見ている前でそれをしながら、同じ営業スタッフが見込み客に訪問した際には歓迎されることを期待しています。
顧客に営業担当者を歓迎してほしいなら、リーダー自身が他社の営業担当者を同様に扱わなければなりません。
3. 営業担当者に「聞く・質問する・有益な洞察を提供する」を指導せよ。売り込みではなく。
営業担当者はしばしば、商談前に顧客について徹底的に調べ、その知識をマーケティングメッセージの展開に使おうとします。しかし、顧客のビジネス、動機、目的を知ったつもりになって間違えるくらいなら、素直に質問する方がはるかに良いものです。
あるロールプレイを観察したところ、営業担当者は「この製品は週1回ではなく隔週での使用で十分です。その理由を説明します。」と言いました。しかし正しいアプローチは「多くのお客様にとって、使用頻度が低いことが優先事項です。御社もそうですか?それとも他に重要なことがありますか?」と質問することです。
あなたの営業チームは、鋭い質問を投げかけ、傾聴し、対話から学んでいますか?それとも一方的な売り込みに終始していますか?
4. バリュープロポジションをバイイングプロポジションに替えよ。
バリュープロポジション(Value Proposition)は、すべての顧客が同じものを同じように評価するという前提に立っています。それは汎用的な推測に過ぎず、正しい場合も間違っている場合もあります。一方、バイイングプロポジション(Buying Proposition)は成約をもたらします。両者は全く異なるものなのです。
これはある知人から聞いた話です。大企業がモバイル通信会社を選定する際、契約を取ることに成功した営業担当者は通信エリア、容量、速度を前面に押し出しました。契約は取れましたが、、実はその企業の真のバイイングプロポジションは、モバイル端末でクリケットのリアルタイムスコアを配信できることでした。他はすべて雑音でした。質問しなければ、誰が知り得たでしょうか?
あなたの営業チームは各見込み客に特化したバイイングプロポジションを提案していますか?それとも標準的なバリュープロポジションを押し付けて通用することを祈っていますか?
5. 営業担当者に専門性を主張するようにコーチングすること。何でも言う事を聞くのではなく。
多くの営業担当者は、商談を口頭試問のように扱います。できるだけ多くの質問に正確に答えることで採点されると思っているかのように。しかし優秀な営業担当者は自分の分野における真の専門家であり、その専門性を主張します。商談は対話であって、一方的な尋問ではありません。
あるロールプレイでの話ですが、買い手が「顧客サービスを改善するためにERPシステムが必要です。導入にはどのくらい時間がかかりますか、費用はいくらですか?」と聞きました。営業担当者は慌てて的外れな回答をしました。より良い答えは「顧客サービスを改善するのに、ERPシステムが必要だとお考えになった理由は何でしょうか?他に手段はないとお考えですか?」と問い返すことです。
あなたの営業担当者は見込み客の前で専門家として振る舞っていますか?それとも口頭試問に臨む学生のようにふるまっていますか?
6. 購買意思決定者と直接話し合うことは難しいという思い込みを見直させること。
日本社会は階層的であり、役職がすべてに優先するとよく言われます。私はこれを常に耳にしますが、それはあまりにも過度な一般化です。
日本の営業担当者から「自分より上位の役職の人に会うことはできない」という話をよく聞きます。役職の差が、「ノー」とは言えても「イエス」とは決して言えない下位の担当者とのやり取りに終始する言い訳になってしまっています。
役職の同等性が商談に不可欠だと本気で信じているのは、購買権限を持たない不安定なゲートキーパーと、平凡な営業担当者だけです。真の価値に役職は関係ありません。自分のビジネスに何百万もの利益をもたらすと説得力を持って示せる営業担当者を、役職の違いを理由に追い返す買い手はいません。
営業マネージャーが成約のために営業担当者に同席しなければならないなら、その営業担当者が本当に必要か自問してください。
7. 役目を終えたディストリビューター関係を終わらせよ。
私たちはポスト・ディストリビューターの時代に生きています。ディストリビューターを何とか説得して自社製品を代理販売させる(それもしばしば下手なやり方で)時代は終わりました。私が知るCEOたちは、もはや機能しなくなったディーラーやディストリビューターとの関係を終わらせないようアドバイスを受け続けています。顧客が離れる、日本市場でブラックリスト入りするといった理由でです。
しかしそのような暗い予言が現実になったのを、私は一度も見たことがありません。私が繰り返し目の当たりにしてきたのは、行動を起こした瞬間に、劇的に改善された利益率、強化された顧客関係、そして自社ブランドの主導権を取り戻した企業の姿です。どの業界にも破壊者はいます。自分の業界にまだ見当たらないなら、その破壊者があなた自身であることを確認してください。まだできるうちに。
さて、いかがでしたか?今日からどの戦術を実行しますか?そして、日本や世界各地で営業力と成果を高めるために、あなたはどのような非常識な戦術を使っていますか?ぜひお聞かせください。
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