Business people shaking hands!

人脈についての誤解

日本であれ海外であれ、ビジネスにおける繋がりに関する部分は自分自身で扱うべきものであり、外部委託などするべきではありません。アウトソースすることを勧められたこともあるかもしれませんが、そのようなことをする必要もありません。

A European company in Japan calls on an independent consultant for maintaining and
managing relationships with buyers and leaders of its Japanese customer companies. The consultant is adept. He has the golden Rolodex. He knows people in the customer companies, knows how to get meetings with the most powerful of them, knows how to talk with them, knows how their business works, and understands their priorities. So he makes the calls, sets up the meetings, accompanies the vice president of sales during visits, and even speaks for his client (the consultant speaks Japanese, whereas the vice president of sales does not).

営業担当のこの副社長が私に打ち明けてくれたのですが、彼は自分一人で一番の得意先である会社の購買部長とのミーティングの約束を取り付けることなどまず無理だと感じており、このコンサルタントの助けが必要だと思ったのだそうです。営業担当である副社長がこのような考え方をしている中で、営業スタッフがビジネス開発のために自分から行動することなどできる訳はありません。ひょっとしたらビジネス開発が自分の責任であることさえ認識していないかもしれませんし、或いは他の誰かにお膳立てをしてもらってから上からの命令に従えばよいと思っている可能性もあります。

As helpful—if not necessary—he or she might appear, such contacts rapidly entrap your business and limit its opportunities. The relationship is one of self-imposed co-dependency, which is never a healthy look in business. As long as you rely on others to build and maintain your customer relationships, you preclude your organization from developing an independent capability to do the same. The longer your sales staff serve in your business under such conditions, the more difficult it will be to help them develop the capability later on—if they can develop it at all. And then what happens should the golden Rolodex guy or gal suddenly becomes unavailable? What happens when his or her aging contacts retire? Where will that leave you?

ビジネスを広げるに当たって人脈のある専門家に仕事を依頼すること自体には何の問題もありません。しかし、自社のマーケティングを他人に任せることは避けるべきです。 あなたと社員以上に自社のビジネスを売れる人々など存在しない。 Share on X バイヤーのオフィスで、彼らからの質問に答え、懸念を晴らし、その場でビジネスチャンスに気付けるのは、あなたとあなたの社員達だけなのです。

本当に優秀な専門家達はこのことを理解しているので、人の紹介をした後は、首を突っ込みません。もしクライアントへのサービスの一部として人の紹介をしているのであれば、自分が門番的な役に回ることで紹介料を依頼者、或いは両者から払ってもらう、などという方法でそれを行うべきではありません。こういたコンサルタントが供給できる本当の長期的価値は、紹介そのものではなく、その紹介から生まれた両者の関係から最高の成果を得るには、どのようにその関係を維持し培っていくかについてのアドバイスにあります。大切なのはその能力の伝達なのです。人脈はそこに達するまでの一つの方法にすぎません。

私のビジネスにおいても、大きなパワーと影響力を持ち、他人に価値を与えることのあるような方々に日常的にお会いします。そしてもしお互いに価値を与えられると考えられるような方々がいれば、躊躇することなく紹介させていただいています。それはクライアントであろうがなかろうが、お知り合いになった方々全てに対して行なっていることです。

また、私が信頼する知り合いの方々からの人の紹介は、決して拒否しないことにしています。そこに紹介料のようなものが存在することは決してありませんし、この先もそれが変わることはありません。私が人と人を引き合わせるのは、あくまでもそうすることが彼らの為になると信じているからだ、とわかっていただきたいのです。そこに金銭的なものが入ってくれば、私の意図がわからなくなるだけですから。

先に話したヨーロッパ企業が顧客との関係を開発、維持する為に頼っているコンサルタントのことを過小評価するつもりはありません。彼は間も無くリタイアするのですが、聞いたところによると、リタイア後もこのヨーロッパ企業のアドバイザーとして、彼が開拓する手助けをした顧客会社との関係を自分達だけで築き続けることができるよう、サポートするというオファーをしたと言います。これはプロとしてまさにやるべきことであり、コンサルタントにとっても企業にとっても一番良いことだと思います。

この企業の副社長は自分だけでは購買部部長とのミーティングを設定できるとは思っていない、という話をしましたが、私の経験から言うと、それが彼の心配すべき点ではないと思います。2社間のビジネスの繋がりに価値がありさえすれば、仲介してくれた人がいなくても、それが直接対話したいと考える動機になるものです。今から副社長が自分でこの会社との関係を育てていけない理由などありませんし、それはこれまででも同じです。ビジネスにおける関係を自分が築こうという気持ちがあり、それを正しいやり方で行えるのであれば、あなたにもできることなのです。

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