car dealership

卸業者のいらない時代

私たちは「ポスト・ディストリビューター」時代に生きています。商品を顧客に提供するために卸業者を説得する時代は過ぎ去りました。現代の優れたビジネスは、顧客が欲しいものを、望む方法で、簡単かつ快適に、迅速に購入できる環境を整えています。

オーストラリアに住む私の友人は、つい最近、オンラインでミニを一台購入しました。その際、彼はディーラーに足を踏み入れることも、テストドライブも一切しなかったと言います。車のオプションも全てオンラインで選びました。家に届けられたミニクーパーに、彼は今夢中になっているようです。

私の考えでは、車のディーラーは化石のような存在であり、長くは続かないでしょう。日本のコロナ緊急事態宣言中、すべてのブランドのカーディーラーは来店数の減少を経験しましたが、管理が優れているディーラーでは売上が落ち込みませんでした。販売員たちは既存の顧客に積極的に連絡を取り、見込み客のフォローアップを行いました。

「試乗なさいますか?こちらにわざわざ来て頂かなくても大丈夫です。私の方から車をお持ちいたします。」

「車のメンテナンスが必要ですか?問題ありません。私共が引き取りに伺い、整備が終わったらお届けします。」

このような状況を見ると、果たしてディーラーが本当に必要なのか疑問に思います。日本企業でないメーカーも含め、自社の流通を管理することは可能なのです。

ショールームのために高価な一等地に大規模な資本投資をする必要はなく、顧客にアプローチするための効率的なサービス拠点を設ける方が合理的です。また、スタッフの人数も減らすことができ、うまくいけば、オーストラリアのミニの例のように、顧客サービスが実際に向上することもあります。それだけではありません。

メーカーは自社のマーケティングやブランディングもよりよく管理できます。独立したカーディーラーは、メーカーが計画するコストのかかるキャンペーンに一貫性がなく、例えば有利な融資オプションや魅力的なプロモーションがあっても、必ずしもそれを積極的に取り組むわけではありません。これはディーラー自身の利益にも関わるはずなのにです。

ビジネスの多角化を図るディーラーオーナーが、メーカーの利益としばしば相反することも少なくありません。例えば、高級車ブランドを取り扱うオーナーが、そのステータスを活用して低価格車ブランドの販売を促進するケースや、最近では非高級のカフェチェーンを経営する高級車ディーラーのオーナーが、カフェで車を宣伝し、ディーラーでカフェを宣伝していることを耳にしました。これはメーカーのブランディングへの投資と努力にとって頭の痛い問題です。このような面倒なことは必要でしょうか?

私が知る複数の業界のCEOたちは、期限切れに近いビジネスモデルを刷新する必要があると長年考えています。中には流通に対する劇的な変化を慎重に検討する人もいれば、思い切った行動を取る人もいます。実際、COVIDパンデミック以前からそのような大胆な動きが増えているのを目にしてきました。

しかし、危機は混乱と不確実性をもたらし、それに伴い普段ならリスクが高すぎると思われる変革への関心が高まります。実際には、最良の時期であっても変革はそれほどリスクが高くはなかったかもしれません。ビジネスにおいて変革を考えているなら、今がその絶好のタイミングです。

あなたのビジネスで革新的な変化を考えているのであれば、今こそ行動する絶好のタイミングです。 Share on X

ご安心ください。どの業界にも必ず革新を行おうとする人はいるものです。周りを見渡してまだ見当たらない場合は、あなたがその革新者になるよう、今のうちに動きましょう。

 

Upcoming Event

Conversation with Danone Japan President Rodrigo Lima

Join us for an exclusive conversation with Rodrigo Lima, President of Danone Japan. I will interview him onstage to start a conversation, and then invite the audience to ask their own questions, providing ample time for you to ask yours. There will be no slides, speeches, or presentations—just provocative, unscripted conversation.

Date: Thursday, February 6, 2025
Time: 12:00
Location: L’Espace@CCIFJ (Nihonbashi-Honcho YS Building Chuo-ku, Nihombashi-Honcho 2-2-2, 103-0023, Tokyo)

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