9月25日、私は在日フランス商工会議所にて、ノボノルディスクファーマ株式会社の代表取締役社長であるキャスパー ブッカ マイルヴァン氏との対談を行いました。以下は、そのディスカッションからの要点です。
- 肥満は極めて治療可能な病気である。日本の医療界もこの考えに徐々に理解を示しつつあるが、まだ十分ではない。医療専門家への教育を繰り返し行うことが優先事項だ。
- すべての人が、あらゆる病気に対して可能な限り最善の医療ソリューションを受ける権利を持っており、それには肥満も含まれる。
- 肥満との闘いは多くの人々にとって医療的な課題であり、単なる意志の力の問題ではない。肥満には生理学や遺伝学も関係しており、特別なサポートが必要な人もいる。
- 日本の政府規制当局にとって日本国民の健康結果を改善することには大きな利点があり、また彼らはそれを実現するための切迫感を感じている。規制当局に対して日本国民の健康の大切さを訴えることには、説得力があり、納得させる力を持っている。
- 肥満との闘いは医薬品だけでは不十分であり、医療、心理療法、フィットネスコーチング、食事指導など、複数の分野が関わる包括的なアプローチが必要。
- 肥満に関連する併存疾患(心臓病、高血圧、糖尿病など)や、それらの病気の経済的影響により、肥満対策は日本の規制当局にとって公衆衛生の優先事項となっている。
- 日本では、肥満は独自の医療専門分野として認識されておらず、複数の医療専門分野が関与しているため、医療専門家に対する肥満医療の教育は、粘り強さと忍耐が必要な特別な課題となっている。
- 日本の組織では、意思決定が遅いことがあるが、合意が得られた後の実行は迅速だ。一方で、フランスの組織では意思決定が早いことが多いが、実行が遅く、不安定、散漫になることがあり、リーダーシップの介入や指導が必要。
- 根回し、つまり会議の前に個別に合意を形成することは日本や他の地域でも一般的な慣行だが、会議後の根回しもまた、全員が共通の理解と一貫した行動に向かって進んでいることを確認するために賢明なものと言える。