ビジネスにおいて生産性を上げたいと思うのであれば、勤務時間を増やすのではなく、逆に減らすべきです。マイクロソフト・ジャパンのある部署でも金曜日にはオフィスを閉めて勤務日数を週5日から4日に減らしたのですが、その結果、なんと生産性は40%も向上したのだそうです。そう、アメリカやその他の海外のマイクロソフトの話ではありません。日本のマイクロソフトの話です。マイクロソフト・ジャパンがこのような方法で生産性を上げることができたのであれば、あなたのビジネスでも同様な事ができる筈です。
マイクロソフトが成功した理由は、勤務日数を減らしたからだけではありません。特に注目したいのは、社内ミーティングを30分以内、そして5人以下で行うことにしたという点です。また同時に複数の社員とのミーティングを行う代わりに、適当と思われる場合はできるだけスタッフと一対一で簡潔に直接コミュニケーションを行うことをマネージャーに勧めたのだそうです。
ミーティングの数を減らせば生産性が上がる、というのは皆さんにも納得できるかと思います。私の経験から言っても、時間的に負担になる割にビジネスのためになるような結果が出せないものとして社員やマネージャーが一番よく挙げるのが、「社内ミーティング」です。私のクライアントの会社でもマイクロソフトど同様に社内ミーティングに制限を設けたところ、やはり生産性の向上が見られました。またこの会社のマネージャー達は、マイクロソフトが導入したやり方に加え、ミーティングが必要な場合とそうでない場合に関しても、条件を設けました。
この条件とは、非常にシンプルなものです。いわゆる情報をシェアするため、というのは、ミーティングを行っても良いという条件を満たしません。ミーティングを行う唯一の目的は、決定を行うためです。決定事項がないのであれば、ミーティングを開く必要などありません。ですので、延々と続いてしまうかもしれない話し合いや議論が会議の議題になることはあり得ません。議題はどのような時でも決定すべき事項であるべきです。決定事項がはっきりしていれば、話し合いの焦点はぶれませんし、横路にそれてしまうこともありません。そしてミーティングは早く終了し、その成果も出るのです。
あなたの会社では、決定事項も存在しないような社内ミーティングが、どの位行われていますか。
私が社内ミーティングが多すぎると感じているクライアントの皆さんにこの質問をすると、半数から90%という答えが返ってきました。あなたの会社ではどうですか。
ビジネスにおいて生産性を高めるための最初のステップは、大抵とてもシンプルなものです。それはデジタル化やAIの利用などの大規模な技術上のイニシアチブだとか、ビジネスプロセスの改善といったもっとありふれたものとか、企業文化改革などの曖昧なコンセプトによるものではありません。このようなイニシアチブが生産性の向上に役立たないというわけではありません。正しく実行さえすれば役立つものではあります。しかし新しいことを始める前に、現在やっていることで止めるべきことをまず考えて頂きたいと思います。
最も迅速かつ大きな生産性の向上は、よくシンプルなことを止めることから生まれる事がよくあり、それは日本でも同じ事です。これは誰でもできる事であり、あなたも強い意志さえ持っていれば、実行可能なものなのです。
生産性を迅速、かつ大きく上げたいのであれば、まず現在行っていることの中に止めるべきものがないかを考えること。 Share on X週休3日制にする事でビジネスの成果を向上させる事だって可能かもしれません。マイクロソフト・ジャパンにできた事が他のビジネスでできない理由などあるでしょうか。