CEOの役割を初めて引き受けるのは、簡単なことではありません。学ぶこと、理解すべきことが山ほどあり、戸惑ってしまうこともあるでしょう。
初めて日本でCEOとなられた方へ、私からの10個のアドバイスを以下に挙げました。よく耳にする課題の頻度順に並べましたので、ご参考になさって下さい。
- 企業文化は国の文化に勝る。日本の風習など問題ではありません。あなたがリーダーとして創り上げる企業文化こそが大事なのです。これまでにも日本のCEO達は、型にはまらない企業文化を日本国内で創り出しました。これはあなたにもできることなのです。
- 迅速な文化改革は、人からではなく、プロセスから始まるものである。変化を起こそうという時に、まず、新しいやり方を取り入れることについて、社内の人々に賛同を得ようとするのはやめましょう。まずプロセスを変え、実験的にみんなにそのプロセスを試してもらうのです。うまくいくやり方を実際にやってもらうことほど速くマインドセットに変化を起こす方法はありません。
- 合法的に解雇を行うことは可能。どのようにして、いつ、何故解雇をするのか、という点に気をつけるのが大切である。ある有名な欧州資本の会社の日本支社のCEOが、業績の上がらない社員の何人かを解雇しようとした時に、日本人の人事部長から、解雇は非合法であると言われたそうです。そこでそのCEOは結局その人事部長を解雇しました。(もちろん合法的に、です。)
- 販売店・配給業者を切っても、ビジネスが崩壊するという訳ではない。あなたのビジネスにとって付加価値がなくなった配給業者とは、その関係を終わらせても良いし、実際、そうするべきです。社員からは「そんなことをするとうちに大きな痛手になる」といった切実な声が聞かれるかもしれませんが、魅力ある商品を供給している限り、顧客から見放されるということはありません。
- 変革を上手に行えば、日本人は素早くその変革を取り入れ、また、それを責任を持って遂行する。 日本の技術、そして文化の歴史を振り返ってみて下さい。そうすれば日本人が迅速かつ大規模な変化に対応できてきたことがわかるでしょう。変革を導入しようとする前に見られるかもしれない頑強さは、導入後にも見られる筈です。
- ビジネスの価値の説得力というのは、世界中どこへ行っても同じである。日本は不可解な国という訳ではありません。世界のどこでも価値は価値。あなたのビジネスの価値も、説得力のある明確なものにしましょう。
- 英語ができるかどうかで能力を判断すべきではない。一番能力がある社員が英語を話せない、ということもあるものです。主に英語ができるからという理由であるポジションに雇った社員が、その仕事に本当に向いていると仮定してはいけません。
- 日本語ができるかどうかで能力を判断すべきではない。同様に日本語の能力は確かに素晴らしいスキルではありますが、日本語ができるからといって、その社員が他のエリアにも長けているとは限りません。
- 調和を求めることは必要なし。必要なのは建設的な不調和である。日本においても、同意したゴールを達成するやり方について前向きに討論しあうことに何の問題もありません。討論の様子も見受けられないのであれば、無関心、へつらいといった問題がその裏にある可能性さえあります。もちろんこのような問題はビジネスにとって健康的なものである訳はありませんね。
- あなたの一番の障害となる可能性があるのはあなた自身だが、それをコントロールできるのもあなたである。物事が進行しない時、その理由は日本の習慣や日本人社員であるというのは言い訳にすぎません。リーダーであれば、いつでも成功のための前向きな変化を起こすことができるのですから。
CEOの方々、上記以外にも何かアドバイスがおありでしょうか。ぜひ以下のコメント欄よりお聞かせ下さい。