強固な戦略の3つの成功要因

どんな戦略でも、理論上は完璧に見えるものです。しかしながら、ビジネス界の現状というのは常に変化しており、その変化に直面しても完璧な戦略などありません。本当に確固とした戦略とは、環境の変化やその環境に対するあなたの考え方の変化にいち早く対応できるようなものです。成功を収めているビジネスの戦略に関する行動や習慣には以下の3つの共通点が見られるので、ご参考ください。

1. 常に競合相手の観点から自社に対する陰謀を目論むことを仕事とするチームを社内に擁している。 

ビジネスにとって起こりうる脅威やリスクを理解することで、予防策を講じたり、不測の事態に備えた計画を立てたりすることができます。強気な競争相手の立場になって考えれば、その理解を深めることも可能です。

戦略に夢中になりすぎたり、ポジティブ思考や賛同を得ることに固執したりすると、予見可能な競争上の脅威に気付かなくなることがあります。コダックも富士フィルムも、フィルムの急速な衰退をもっと早く予見できなかったはずはないのです。結局のところ、彼らの優秀な従業員はニコンやキャノンの製品開発者と同じくらい賢いのですから。

私は最近、ある企業のCEOが集まるフォーラムに参加したのですが、そこで業界の専門家が、ブロックチェーン技術をデータ・セキュリティの強化に活用できないかと提案しました。もし私がアマゾンやグーグルのデータ・ストレージ・ビジネスに対抗しようと思ったら、同じことを考えたでしょう。

アマゾンやグーグルの経営陣は、自社のビジネスに対する脅威を察知し、それを軽減するか完全に排除するために十分な早期対策を行っている筈です。あなたもこういったことをちゃんと考えていますか。

2. 戦略のレビューをする際には、その進み具合だけでなく、ベースとなっている仮定事項を見直すべきである。.

戦略の作成時の仮定事項がいつの間にか現実にそぐわないものになってしまっていた、ということはあるものです。故に、それらを定期的に見直すことは、ダメージを最小限に留めるための早めの対策を立てることに役立ちます。

ある日本の化学品メーカーは、戦略の一環として東南アジアに工場を建設しました。顧客はクオリティーの高い日本製品を安めの値段で買いたいと感じている、と考えたからです。それはその当時は正しい仮説であったかもしれませんが、工場の建設に9桁台の投資をしてしまった後になってわかったのは、実はある程度のクオリティーのものが安めで購入できさえすれば顧客にとっては十分である、ということでした。結局高クオリティーの必要性を前提とした工場建設への投資は、無意味なものとなったのです。

このような災難にもかかわらず、この会社で開催されたすべての戦略レビューでは、新工場構想のKPIはずっと良いように見えていました。実際に工場が稼働してこのビジネスが動き出すまでは。

3. 戦略には前例がなく、業界や市場の慣例に反するようなものが少なくとも一つは含まれている。

企業改革において、チェンジマネージメントなどというものは存在しません。改革を進めるか、周りの変動に左右されてしまうかのどちらかです。

日本のある小売業者のCEOは、マネージャーのチームを作り、高リスクではあるが高収益も見込める新製品、及びマーケティング方法を考えるという責任を与えました。そしてそこから生まれ成功したものは、このプロジェクトへの投資に値するだけの結果を出したのです。また、成功と失敗の両方からの学びは、別分野での戦略実行を改善する役にも役立ちました。

私のクライアントの企業は、新たな成長の為に、定期的にビジネスの1割を切り捨てています。その1割がどれほど儲かっていてもです。しっかりした意図を持ってある程度の改革を日常的に遂行する事ほど、ビジネスを強くしてくれるものはありません。

Nothing makes your business more resilient than forcing a degree of change upon it, whether needed or not, with regular discipline. Share on X

御社ではどのようにして戦略を開発し、実行していますか。

もし上記の3点が当てはまるようであれば、しっかりとした戦略があり、ビジネス結果も好調であるだろうと想像します。

3点のうち2点が当てはまる場合は、戦略の堅固さにむらがあり、ビジネスが出す結果も不安定である可能性が高いと思われます。多くのマネージャーはある程度の信頼を持って変革に対応しているが、その他の社員はなかなか腰を上げようとはしていないのではないでしょうか。

もし1つだけ当てはまる、或いは全然当てはまらない会社は、戦略が脆いと考えられます。殆どのマネージャーは変革を拒んでおり、なかなかそれに慣れようともしていないのではないでしょうか。業績が芳しくない時は、自分達のビジネスのやり方を見直すのではなく、市場や経済状況、別部門のせいにするような事も多く見られるかと思います。

御社の現状はどうですか。また、何を変える必要があると思われますか。

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