[:en]The Seller is God[:ja]売り手は神である[:]

[:en]When a salesperson tells me, “The way to make a customer happy is to treat them as God!” usually he or she means acquiescing to and fulfilling every demand and whim.

Nothing could be further from the truth. No, the customer is not God, nor does the customer ever really want to be. Rather, it is the salesperson that can be a god to the customer if he or she does things right.

There is always a difference between what someone wants and what someone needs, which is why always getting whatever someone wants rarely makes him or her happy. Rather, it is the fulfillment of needs that satisfies, not wants, and the same goes for customers no matter who they are or what country they are from, Japan included.

A customer will usually tell you what he or she wants, but it is up to a seller to tell a customer what he or she needs. Share on X

The CEO of a materials company in Japan that makes a filter using some distinct proprietary technology has a sales force with a bit of a “customer-god” complex. He told me he wants his sales force to ask questions when speaking with a customer to understand his or her business needs “deeply” rather than just responding to customer demands and product requirements.

Without getting into the specifics of the science and technology, he described a real scenario in which the customer asked for a proposal on a product with five technical requirements, only four of which his company could satisfy. I asked how he would like a salesperson to respond to that.

“Well right now, our salespeople would probably just say we can’t meet the requirements. I, however, expect a salesperson to ask questions to understand the need,” he explained.

“OK,” I said. “What would you have the salesperson ask?”

“‘What is your priority among these requirements?’” he said. “If we can understand the priority, maybe we can negotiate a compromise on the fifth requirement. It might not be so important relative to the others. I asked that question with a real customer when I was in sales, and was successful. I wish my salespeople would do the same.”

“That’s not bad,” I said, “but that is not the first question I would ask.”

“What would you ask?” He asked me, surprised.

“What is the purpose of requirement number five and why is it important?” I said.

He considered my question, smiled, and nodded in agreement. “That question is better,” he said.

He’s right, and here’s why. You see, asking about priorities is really just asking about wants by degree, not needs. How do you know that your customers’ priorities are correct? How do you know that requirement number five is even valid at all without understanding the purpose? If salespeople are truly experts in their domain, they ought to be able to tell a customer what their priorities should be.

That is a provocative concept for a salesperson with a “customer-god” complex, because it means talking back “to God” to say, “You’re wrong.” And no one wants to displease God.

Yet, simply complying with a request is unlikely to make a customer happy, particularly if the customer is, in fact, mistaken, or has missed an insight that an expert might have noticed. When the customer realizes that what was sold is inadequate for his or her needs, or even sub-optimal, it is unlikely he or she will simply decide it was his or her own fault for asking for the wrong thing. He or she will likely hold you accountable for not having advised properly. Even if the customer does not consider it your fault, your esteem in his or her eyes will be diminished.

“Oh yeah, that company will supply you whatever you want, but don’t expect a whole lot of thought on their part. They don’t really understand our business or our needs, but they are very good at taking our orders and delivering on them,” the customer might say to a friend – hardly a ringing endorsement of your business and its customer service.

Being a god is not all it is cracked up to be, if the gods of Ancient Greece are any measure to go by. Even off Mount Olympus here on earth among mere mortals, I have never known anyone who has been made happy by the obsequious, and those who insist upon obsequiousness from others tend to be miserable people in general no matter what you say or do.

The key to making a customer happy to is to assert your expertise, even when your advice goes against what a customer wants. Tell the customer what he or she really needs, and that requires asking questions about the business outcomes they want to achieve. Customers often don’t know what they don’t know. You see what they do not see, and can help improve their lives in ways they had not considered. If that does not have a touch of divinity, I don’t know what does.

You may tell God what you want, but you would never dare to tell God how to give you what you need. You can reverse the customer-is-God dynamic.

It is the seller who is God, or at least should be. So stop treating customers like deities.

[:ja]セールスの人達が「顧客に喜んでもらう方法は、彼らを神様のように扱うこと」という時、その意図するところは、顧客の要求や気まぐれにも全て従い応えるというのが普通です。

しかしこれは非常に間違っていることです。顧客は神ではありませんし、彼らも神のように扱ってもらいたいなどと思っているわけではありません。逆にきちんと仕事をしているのであれば、セールスマンこそが顧客にとっての神となりえるのです。

人が欲しいと思っているものと必要としているものというのはいつでも同一ではありません。ですから誰かが欲しいと思っているものをプレゼントしたとしても、それでその人が幸せになることなど滅多にないのです。欲求を満たすことではなく、必要としていることを満たすことこそが満足を生み、これは顧客についても当てはまることです。また、このことは日本を含めて国を問わず見られます。

顧客は何を求めているかを伝えてくれるのは普通だが、彼らが何を必要としているかを彼らに教えてあげることは、売り手にかかっている。 Share on X

特異な専有技術を使ったフィルターを作っている日本の某資材会社のCEOの下で働く営業部の人々は、ちょっとした「お客様は神様」的なコンプレックスを持っていました。彼は営業スタッフには顧客と話す時、単に彼らの要求や商品に必要なものについて対応するのではなく、色々質問して、彼らのビジネスニーズを十分に理解してもらいたい、と私に話しました。

そこで彼が技術的な話は抜きでこのような実例を出してくれました。ある顧客が5つの技術的な必要事項を満たした商品の提案書を依頼してきたのだそうです。ところがその5つのうち、彼の会社でなんとかできるのは4つだけでした。私は彼に、どのように営業スタッフに対応してもらいたいのか聞いてみました。

「そうですね。多分彼らは無理であるという旨を伝えると思います。でも私が彼らにやって欲しいのは、そこでいろいろな質問をし、顧客のニーズを理解することなのです。」と彼は答えてくれました。

「わかりました。」と私。 「では、営業マンにはどのような質問をするように指示すれば良いと思われますか。」
「この5つの事項を、大切なものから並べてもらいます。」 と、彼は言いました。 「優先順位を理解できれば、5つ目の事項を必須のものとしないように交渉することもできるかと思うんです。他の事項と比べればそう大切ではないかもしれませんからね。私も自分がセールスにいた時に、実際の顧客に同じような質問をしたことがあるのですが、それがうまくいったんです。ですからうちの営業スタッフも 同様にしてくれればいいのに、と感じているのです。」

「それも悪くありませんね。」と私は答えました。 「でも私なら、まず別の質問をします。」

「どんな質問ですか。」 彼は驚いて聞き返しました。

「5つ目の事項の目的は何で、どうしてそれが大切なのか、ということです。」 というのが私の答えでした。

彼はその答えについて少し考えた後、微笑み、首を縦に振りました。「確かにそちらの方が良い質問ですね。」

確かにその通りなのです。考えてもみてください。優先順位を聞く、というのは、どの程度それを欲しているか、ということを聞いているに過ぎず、何を必要としているかを聞いているわけではありません。その顧客のつけた優先順位が正しいかどうかなど、わかりますか。5番目の事項の目的も理解しないで、その事項自体が意味のあるものかどうか、わかるでしょうか。もし営業スタッフが本当に自分の分野でのエキスパートであるなら、彼らの方から顧客に正しい優先順位を教えてあげることができるはずです。

これは「お客様は神様である」と信じている営業マンにとっては、刺激的とも言えるコンセプトだと思います。何せ、神様の言うことに反論し、「あなたは間違っています」と言うようなものですから。神様のご機嫌を損ねたいと思っている人などいるわけがありません。

しかし、単に顧客からのリクエストに応えることによって顧客を満足させることは難しいと言えます。特に顧客が実際に間違っていたり、エキスパートであれば見逃さないような洞察内容を見逃したりした場合はことさらです。顧客が購入したものが自分の必要としている用途に不適切、あるいは不十分なものであったりした場合、彼らが間違ったものを要求した自分が悪かった、と単純に感じてくれる可能性は低いでしょう。ちゃんとアドバイスをしてくれなかった、という理由で、あなたに責任を押し付けられる可能性の方がずっと高いと思われます。たとえ顧客から責任を問われることがなくとも、あなたに対する信頼度はぐんと落ちてしまうでしょう。

「あの会社に頼めば欲しいものは何でも手配はしてくれるけれど、こちらのことを十分考えてくれるなどという期待はしないほうがいいですよ。うちのビジネスや私たちが必要としていることはあまり理解してくれていません。ただ受注やオーダーしたものの手配はしっかりやってくれます。」といった内容のことを友達に話す顧客もいるかもしれません。これではあなたのビジネスやカスタマーサービスについての推薦をしてくれている、とは思えませんね。

神となるというのは、実はそう大したことではありません。それは古代ギリシャの神様を見てもわかるかと思います。オリンパスの丘から離れたこの地上にいる単なる人間の間でも、周りにへつらってもらうことで喜ぶような人とは出会ったこともありませんし、人々に卑屈な態度を要求するような人は、大体が哀れな人だと思います。

顧客に喜んでもらう秘訣は、たとえ顧客が求めていることに反するようなことであっても、自分の専門分野に関することは、強く主張することです。彼らにとって本当に必要なものは何かを教えてあげることが大切であり、そのためには彼らが達成したいと思っているビジネス結果について、色々質問することが必要となってきます。顧客は自分が知らないことが何かがわかってない、ということはよくあります。あなたには顧客が見えていないことが見えているのですから、彼らが想像だにしていなかったような方法で生活を改善してあげることの手助けが可能です。そこには神々しさがあるとは思われませんか。

神様に欲しいものを伝えるのは構いませんが、自分が必要としているものをいかにして授与してもらうかなどということを要求することは恐れ多いことだと思います。でも顧客は神、という見方を逆にすることは可能です。

売り手の方こそが神であり、少なくともそうあるべきなのです。ですから顧客を神様のように崇めるのはやめましょう。
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